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聲をふるはせる
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お妙 (聲をふるはせる。)お父さま、どうなさるのでございます。
鬼貫 お妙、もう歸つたのか。
お妙 こんな刃物を持つて、お前はどうなさるのでございます。
鬼貫 譯はそこに書いてある。それを讀めば判ることだ。
お妙 いゝえ、そんなものを讀んではゐられません。もし、お父さま。おまへは何で自害なさるのでございます。
鬼貫 叱つ、靜にしろ。
お妙 いゝえ、靜には出來ません。まあ、兎も角もその刃物をお渡しください。
(たがひに爭ふ間に、下の方より路通は再び出で來り、門口よりうかゞひゐる。お妙は一生懸命に父の手より刃物を奪ひとりて泣く。)
鬼貫 これ、靜にしろと云ふのに……。なるほど吃驚するのも道理だが、たとひ自害しないでも俺達はもう生きてはゐられない……。よく考へてみろ。さつきも云ふ通り、あしかけ五年の浪々に、わづかばかりの貯へは勿論、家財も着類もみんな賣り盡して、導引揉療治にまで身を落したが、それでも世渡りは出來ないで、先月から三度の飯も滿足に食つたことがない。これで幾日もつゞいたら、親子ふたりが抱きあつて飢死するより外はあるまい。考へてみても怖ろしいことだ。http://tonikaku.point-b.jp/b/index.php?year=2013&mon=02&day=26&cd=1
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きもち:普通
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