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その翌る朝
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一羽の雌鶏が、小悪魔がどこへ、まい朝出かけるのか、その後をそつとつけて見ました。
すると悪魔は、ピョン、ピョン、とはねて蛙のやうな足つきをして、村へ入りこみました。そして、一軒ごとに、百姓家の窓に、はひ上つてその窓から首をつきいれて、
『娘さん、お早う』
と娘さんたちに朝のあいさつをして歩るきまはつてゐました。
そして片つぱしから、この村の娘さんのゐる家といふ家を、のこらずあるきまはるのです。
娘さんは、窓から、ちいさな気味のわるい顔がとつぜんあらはれたので、びつくりします。
『まあ、なんて気味のわるいひとなんでせう。とつぜん顔なんか出してさ、挽臼にいれて粉にしてしまひますよ』
となかには、プンプン怒る娘さんもゐました。娘さんたちは、悪魔の朝の挨拶などは少しも気にもとめず、さつさと身じたくをし、何時ものやうに鍬を手にして畑に、働らきにでかけました。
この村に、たいへん美しくそしてまたオシャレな女の子がをりました。悪魔はその女の子の家の、高い窓にいつものやうに、ひらりと飛びあがつて、猫撫で声で、
『娘さん、お早う』
といひました。http://tonikaku.point-b.jp/b/index.php?year=2013&mon=05&day=17&cd=1
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きもち:普通
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